Professor’s Comments
関西大学 社会安全学部 伊藤大輔教授
自動車対自転車の事故における特徴的な形態として、自転車の飛び出しによる出合い頭の事故が挙げられます。もちろん自動車側の注意警戒も重要ですが、自転車側も視界の悪い交差点では周囲の確認や一時停止が大切です。また、スマートフォンを操作しながら自転車を運転していると視界が95%減少するとの研究報告もあります。イヤホン・ヘッドホンなども使わず、五感をフルに使って注意して自転車に乗るよう心掛けましょう。
自転車重傷事故では頭部が最も受傷しやすい部位であり、ヘルメットを着用することで死亡率を大きく下げることができます。力学的な視点で見た場合、ヘルメットに期待される効果は、突起物の頭部への貫入防止、ヘルメットが変形することによる衝撃吸収と頭部に作用する荷重の分散です。これらの機能により自動車との衝突時や路面への転倒時の頭蓋骨骨折を防ぐことが期待できます。自分の身を守るために、ヘルメットを正しく着用してください。
引用元:
関西大学通信 2023.10 vol.510